大谷翔平はブルー・ベースを超えた!(大和田爆笑)
7/14(水) 6:11配信
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現代ビジネス
投手としても打者としても活躍
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【写真】大谷選手の肉体、ヤバすぎる…!
エンゼルスの“二刀流”大谷翔平選手と言えば、メジャーに挑戦した当初から“本家・二刀流”ベーブ・ルースと比較されることがしばしば。しかし、米ESPNなどに寄稿するマイク・ペトリエロ氏は、もはやルースは大谷選手の比較対象ではなくなったと、MLB公式サイトの特集記事で語っている。
メジャー4年目を迎えた今季、大谷の大快進撃が止まらない。すべての成績を7月8日時点でそろえると(以下同)、打者として81試合でホームランはメジャートップの32本、長打率もトップで驚異の7割、69打点とOPS(出塁率+長打率)1.064は同3位で、盗塁も12回成功。
ジャッジより打って、シャーザーより打たれない
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投手として十二分の成績を挙げ、さらに打者としてはメジャートップクラスの数字を記録する大谷選手に、これまでメジャーを取材してきたペトリエロ氏も圧倒されっぱなしだ。
「レーザービームのような本塁打、超豪速球、圧倒的なスプリッター、衝撃的な足の速さ。それを毎試合、すべてを同時に。ホームランダービーでパワーを見せつけ、翌日のオールスターで二刀流をこなすことが普通であるかのように思えてしまう。だが、そんなことはないのだ。この全てがいかに“普通でない”のかに、私たちは注目する必要がある」
大谷選手は打者として、得点力の大きさを示すOPS+でメジャー3位の178をマーク。投手としては、サイ・ヤング賞3回のクレイトン・カーショー投手(ドジャース)やダルビッシュ有投手(パドレス)よりも高い奪三振率30.7%と、文字通り“二刀流”で活躍。その上、エンゼルスの86試合中81試合に出場しているのだから、驚きだ。
「アーロン・ジャッジよりも成功している打者で、マックス・シャーザーやカルロス・ロドンよりも1回あたりの被安打数が低い投手、そしてトレバー・ストーリーよりも足の速いランナー。それこそが大谷だ」
大谷は打者としてだけではなく、投手としての適応力も高い。5月10日までは四球率が22.6%と高く、制球力に少し問題を抱えていたが、11日以降はなんと8.0%と劇的に改善されているのだ。
メジャートップの「本塁打率」
総打数を本塁打数で割る「本塁打率」を見ていくと9.06で、これは今季本塁打王を争うメジャー一流のスラッガーたちのなかでもトップなのだ。ライバルとしてずっと本塁打数を競ってきたブラディミール・ゲレーロが10.89。現役最強の5ツールプレーヤー、フェルナンド・タティスでも9.32であり、そういったスーパースターを上回る数字をたたき出している。
2004年に松井秀喜氏(当時ヤンキース)が記録した日本人最多年間本塁打数の記録を塗り替えたことがニュースとなったが、まだシーズンは折り返し地点。このまま打ち続けると、年間60本ペースでとてつもない記録になる。ペトリエロ氏も「彼が何もできないという配球はないようにも思える」と舌を巻く。
「大谷はネクスト・ルースなんかじゃない」
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これまで“野球の神様”ベーブ・ルースと比較されることが多かった大谷選手であるが、ペトリエロ氏は異論を投げかける。
「異国の地で挑戦してもいないし、多種多様な投手が揃ったロースターと対戦したわけでも、大陸を横断したり、無限のリリーフ陣、大谷が見ているような圧倒的に才能のある相手と対戦したわけでもない」
ベーブ・ルースは“元祖二刀流”とは言え、打者と投手を同時かつ定期的にこなしたことはほとんどない。投手としてコンスタントに出ている時は打者としては代打起用が少なくなく、逆に打者としてレギュラー出場するようになると投手としては何週間もプレーしないことも珍しくなかった。
毎試合のように打者としてスタメン出場しつつ、その合間に中5日、中6日のペースで先発登板している大谷とは事情が異なる。ペトリエロ氏が「大谷はネクスト・ルースなんかじゃない。誰のネクストでもない。彼が初代ショーヘイ・オータニである」と言い切るのも納得だ。
佐藤 辰弥(スポーツライター)